「車の中は風が当たらないから暖かいはず」と油断して春秋用の薄い毛布だけで乗り込むと、深夜2時に激しい悪寒で目覚め、朝まで震え続けることになります。車内が極寒になる理由は主に以下の3点です。
雪山車中泊の鉄則は「車のエンジンを一切かけずに、無加温状態で朝まで熟睡できる環境を作ること」です。この絶対条件をクリアするための3大必須装備がこちらです。
人間は一晩の睡眠中に、呼吸や皮膚蒸散から約500ml〜1Lの水分(ペットボトル1〜2本分)を車内に放出しています。冷たい窓ガラスにこの水蒸気が触れると、車内の窓全面が真っ白に結露し、外気温の低下とともに窓の内側がガチガチに凍りつきます。
窓ガラスと車内空気の間に空気層を作り、冷気遮断と結露を劇的に抑制します。フロントガラスだけでなく、運転席・助手席・後部座席・クォーター・リアガラスの「全窓分」を覆うことが必須です。車種専用シェード(吸盤固定)が理想ですが、ホームセンターの銀マットやプラスチック段ボール(プラダン)を窓枠の形にカットして自作しても十分な効果を発揮します。
密閉した車内では湿気の逃げ場がなく、結露が加速します。ドアバイザー(雨よけ・雪よけ)が付いている車両なら、運転席側と助手席後部側の「対角線上の窓」を5mm〜1cmほど開けてください。雪の吹き込みを防ぎつつ、車内の湿気を含んだ空気が外へ抜ける空気の通り道(ドラフト効果)が生まれ、窓の凍結を大幅に低減できます。
前日に滑った濡れたスノーウェア、グローブ、ブーツを車内に干したまま眠ると、湿度が90%以上に跳ね上がり、車内全体が結露水で水浸しになります。濡れたギア類は大型の防水ドライバッグや衣装ケース(密閉コンテナ)に放り込み、水蒸気を車内に飛散させないように隔離してください。
冬の車中泊は、平地のキャンプや道の駅仮眠とは全く異なる自然の脅威に晒されます。重大な事故を未然に防ぎ、マナーを守るための5大ルールです。
夜間に降雪があると、積もった雪や吹きだまりによって車体後部のマフラー(排気管)があっという間に塞がれます。排気ガスが車体床下やエアコン吸気口から車内へ充満し、就寝中に無臭の一酸化炭素(CO)中毒によって命を落とす痛ましい事故が毎シーズン発生しています。また、アイドリングの騒音・振動・排気ガス臭は周囲の車中泊者や近隣住民に対する重大なマナー違反です。
自分がエンジンを止めていても、隣に駐車した大型トラックや他車の排気ガスが風向きによって自車の隙間から侵入してくるケースがあります。数千円で購入できる乾電池式の一酸化炭素チェッカーを用意し、就寝時は車内の天井付近(ランタンフックやアシストグリップ)に必ず吊るして稼働させてください。
氷点下の寒冷地でサイドブレーキを強く引いたまま一晩置くと、ブレーキワイヤーやドラム・ディスクキャリパーが凍結し、朝発進しようとしてもブレーキが解除できなくなります(走行不能)。オートマ車はシフトレバーを「P(パーキング)」に入れ、念のためタイヤに「輪止め(チョック)」を噛ませてサイドブレーキは下ろした状態にしておきます(電子式パーキングブレーキの場合は自動作動をOFFにする設定を確認)。
ワイパーゴムがフロントガラスに凍結して千切れるのを防ぐため、駐車後は必ず前後のワイパーを立ててください。また、積雪を除雪するための「伸縮式スノーブラシ」をトランクや荷室奥にしまったままにすると、翌朝バックドアが雪や氷で凍りついて開かず、ブラシが取り出せない罠に陥ります。必ず手前の後部座席足元など、車内から手の届く場所に置いておきます。
スキー場の駐車場や道の駅では、深夜2時〜早朝6時にかけて大型除雪車が一斉に稼働します。除雪車の通行ルートや除雪雪山堆積エリアに車を停めると作業の妨げになり、除雪車に雪で埋められて出庫できなくなることもあります。指定された車中泊許可エリアや除雪作業済みの奥まった区画を選び、ゴミや汚水は絶対に現地に放置せず全て持ち帰りましょう。
スキー場の直下駐車場は夜間閉鎖されたり、除雪車が夜通し稼働して騒音が激しかったりすることが多いため、車中泊初心者は高速IC近くで24時間暖房便座トイレと除雪体制が整った「幹線道路沿いの道の駅」を前泊拠点にするのが最も安全で快適です。
関越道(みつまた・南魚沼・水紀行館・白沢・尾瀬かたしな)や上信越・長野(白馬・おがわ・あらい)など、ゲレンデ手前30分の超快適前泊スポットのトイレ暖房設備・トラック騒音度・近隣日帰り温泉を徹底比較した特集記事をチェック!
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